甘熟甘懐。

石っころ

あー右肩がいてえ。
不機嫌に出かけて行った相方様のお顔を脳裏に思い浮かべながら、ごきごきと骨を鳴らす。
最近朝早くに宿を出て深夜に帰宅する日が続いていて、まともに会話すらしてねえ。
だから…うん。ご無沙汰です。でも体が前よりだりぃのはなぜだ。
レモン切れか。やわだな俺。愛しちゃってるな俺。
でもレモンの機嫌がよろしくない理由は、俺のことなんか全然関係なくて拘束時間が長いとこにありそうだが。
これなんてセツナイ片想い?

んー。ソロしてもいーんだが、てか何日かはソロしてるんだが、そればかりもつまらない。
今日は天気もいいので露店でもやっかーと、重いカートを引きずって適当に開いてる箇所で腰を下ろした。
定位置なぞというものはない。そんな定期的にやってねーし。
ただまぁ職業柄顔はそれなりに広いので、どこにいても結構声かけてもらえたりするわけだ。

「おふさー。なんだなんだ。顔色わりーなおい。」
「男前の相方君今日はいないのー?」

こんな風に。
商売は愛想命。へらへら笑って適当に返事をする。
俺だって四六時中横にいてほしーよちくしょう。その質問は今の俺にはタブーなんだぜ。
てかやっぱり顔色悪いっすか。軽く隈は浮いてる気がするが。朝から鏡の前に立つとかレモンじゃねーからやらねえよ。
そういやレモンがいるときは適当に撫でてもらって直すんだが、寝癖とかついてるような気もする。髪。
すげえ短えから気にならねえと思うけど。でも変な跳ね方してたら目立つんだよなぁ。
無意識でちょいちょいいじくる。かてえ髪。実際は自分の手で梳いて、想像の中ではそれをレモンの手に置き換えてる。
女々しいことこの上ねえけど。指の長さは同じくらいで太さが少し向こうのが細えから。真似てやりゃちょっとは似…。
いやいやいや何してんだ俺!
なんだか恥ずかしくなってぶんぶん腕を振り回す。あー肩こったなーとか言いながら。
誰も見ちゃいねえと思うけど。肩いてえのほんとだしよ。

「って、あ…。」

俯いてた顔を上げたらなんかばっちり目が合いましたけどー!?
ぎゃー見られてた!?
いやいや初対面だし露店仲間でもねえから俺の微妙な心境の変化など向こうは知らないはず。
ばたばたと鬱陶しいやつだなくらいだろ。思われても。
そう思われると商売やってる身としちゃ客減りそうでこわいけどさ。

にしてもえらく熱心に見られてる。
やだラムネときめいちゃうーって違う違う俺には男前な相方様が!
さらさらの金髪からペコペコの羽根耳がにょっきり生えて、前髪をバッテンヘアピンで押さえている教授様。
俺より若そうなのに転生かよすげえ。いやまぁ転生って一時若返るんだっけ? じゃあ年上かもしれねーよな。
じろじろ見るのは失礼かもしれねーが。逸らさないでいてやっても、焦ったり照れたりする素振りが見られない。
何か他のことに気を取られているような、確かに視線を交えているのに、俺のことなんか眼中にないような。
そんな感じ。

「いらさいませー?」

そんままの状態でずんずん。気がついたら目の前に立っていた。瞬間移動ですか。
教授型にできた影の中から見上げると、目を細めて何かを探るような、少し冷めた目で見られていた。
なんなんだよと思わなくもないけど、客っていろんな境遇のやつがいろんなタイミングでくるから。
そんなことでいちいち動揺しないのぜ。せっぱつまってんのかもしれねーじゃん。
だからこそ向こうから口を開くのを待つ。
まぁなんか売ってるもんに興味があると言うより、俺自身に用事がありそうな感じがひしひし伝わってきますが。

「お前。」
「うい。」

お前呼ばわりかい。
睨まれてるけど、にっこり返してやる。ニヤニヤしてんじゃねーぞてめえ!とか言われたらまぁまぁお客さんそう怒りなさんな可愛い顔が台無しだぜ。とか言おうと思う。逆効果かもしれないけど。
そんなどうでもいい台詞の準備をしていると、声をかけてきたきり黙ってしまっていた教授様がちょいと目を見開いた。
次いで何か、ピンときたぜ。って感じで、嬉しそうに小さく微笑む。あら可愛らしい。

「後ろの鞄か。何持ってんだ?」
「え。」

思わず振り返る。後ろにはカートと…鞄つったらリュックしか持ってねえけど。
え。何持ってるって…何か入れてたっけ? 実はこれ背負ってっけど、あんまり使ってねー。
中身確認したのとか何ヶ月も前なんじゃねえの。なんか入れっぱだったか?
下ろしてみたが、膨れてるわけでもねえし。そもそも正面に立ってる教授様からリュックは見えてねえと思うんだが。
首を傾げつつ止め具を外す。
初対面の客に指摘されたくらいで何素直に確かめちゃってんだって話だが、興味を持ってもらえてるのなら協力しようじゃないか。
だからこれからぜひご贔屓にネ! あんまり露店しねえけどサ! お安くするヨ!
あーでもやっぱり、手を突っ込んでかきまわしてみても何も入ってな…。

「あんだこれ。」

薬指に何かがぶつかって、不審に思って取り出してみる。
どこにでも転がってそうな、黒いごつごつした…でも手触りは滑らかな石。
結構大きめで、重量感があるのに全っ然気付かねえ俺もどうかと思うよ!
いつの間に入ったんだ。いや知らずに入るような大きさじゃねえけど。
なんだ肩凝ってたのこいつの所為か…?

「いや。どっちかってと、こっちだな。」

声に出てたかと思うくらい絶妙なタイミングで、教授様が俺の疑問に答えを寄越してついでに右肩を指す。
そのことにさらなる疑問を感じるより先に、素直に俺はその指を視線で追い…目を丸める破目になった。

「ぬううおおおあああなんじゃおまいは!」
「耳元で五月蠅いのう。」

のう…じゃねええええ!
や、いくら朝鏡見てねえからって、こんなのいたら気付くって!
いなかった。さっきのさっきまで、絶対確実にいなかった!
長い黒いストレートの髪。前もキレイに切りそろえられてて、白い肌に黒い丸い瞳。
アマツの着物…みたいなのを着てて、そうだなぁ一番近いのは雅人形?
みたいなのが、そうなんです。そうなの。俺の右肩に乗ってんのおおお!
あぁでも小せえよ。人形って言われても通るだろう。とりあえず人間には見えねえ。
モンスターでもこんなサイズで尚且つ生きてるヤツなんざ見たことねえ。
パッと見、新手のたれ人形シリーズかと思ったぞ。
ナンデスカネコレハ。

「んあれ。どこいった。」

鬱陶しそうに俺のことを眺めていたそいつがいつの間にか消えていた。
いやいやいやずっと見てたし! 目ぇ合ってたし! ほんとに一瞬で消えたよな!? 何何何が起こった!?
相変わらず肩は痛えけど…どいて、くれたんかな…?
思わずきょろきょろ辺りを探し、いつの間にか取り落としていた石が視界に入ったので深く考えずに掴み上げつつ首を傾げる。
いろいろついていけねーが、いてえ原因はわかった。たぶん。
えーっと…。
俺ってば、憑かれてる?
お祓いとかかなぁ…これは?

「わらわはずうっとここに居るわ。」
「うぎゃ出たー!!」

気がついたらまたいた! ええいなんださっき確かにいなかったぞ。
思わず尻もちをついて後ずさるが、俺の肩に乗ってるんだよ。離れられるわけがねえ。
溜息をついて憐れな目でこちらを見つめていた人形だったが、そんな俺から興味を失ったのか、すいと視線を外される。
それをまたまた素直に追うと、驚きすぎて存在を忘れていた教授様と見つめ合っていた。
どきどきばくばく暴れる心臓を必死で宥めてる俺を尻目に、余裕の表情である。
すげえこの人。他人事だろうけど。

「媒体はそいつか。触れれば見えると。」
「ふむ。御石を通さずわらわが見えるのか。おぬしでも良いぞ。頭が良さそうじゃ。」
「いや俺置いてけぼりで話進めるならそこからのいてください。」

何わかりあっちゃってんだおまえら。
まぁ俺より可愛い顔してっけどさ。目ぇ細めてくくくって喜んでんじゃねえよ。
あんた俺に好きで憑いてんじゃねえのかよ。ユーレイに好かれても嬉しくねえけどさ。なんか複雑だぞ。

「このぶらっくすみすはつまらんのだ。わらわに気付かぬ。鈍い。」
「ぬな!?」

いやいやいや!
リュックなんか普段見ねえもん。石握らなきゃ見えねえのにどやって気付くんだよ! 自覚症状肩凝ったーしかねえよ!
ここまで歩いてくるのに誰にも不審に見られなかったし。
俺でなくても気付かねえヤツいっぱいいんだろ! この教授が特殊なんだって!

「相方のぷりいすとと言うのがまたこやつには勿体無い程の男前なのだがな。わらわが見えておる様なのに完全するうじゃ。」
「…へ?」

え、え、え、待って待って!
まぁレモンさん職業的に俺よりそっち関係強いけどさ? 見えてもおかしくねえけどさ?
するうってどういう…ことなの…。
俺より忙しくてしんどそうだからあんま体の不調は訴えなかったけどよ。ガキじゃねえし俺。一人で解決できると思ってたし。
でも、ほら、おかしいなって思ったら。こんな変な女が、肩に乗ってんだからさ。
だから。
大丈夫かとか…そんなのくらい、さ。
言ってくれても、バチはあたんねーと思うんだ。

いや、気づかいできる余裕がなかったんだろうけど。うん。それはわかってんだけど。
ちょっと…さみし…。


「しゃしゃり出てこなきゃ、イイんだよ。」


聞き馴染んだ声が静かに怒る。
三人で一斉に振り返った先。
ゆらりと佇む、俺の相方様。

今日は一日聖堂に缶詰だって。言ってたのに。
なんで、こんなとこに?

「ふん。わかるのだぞ。おぬし見えてはおっても、わらわに指一本触れられぬのだろう。」

すたすたと近づいてくる。隣にいた教授を押しのけ、正面を塞ぐように立ち止まる。
自慢の金髪は頬に張り付いて乱れ、目の下には隈。完全無敵な普段の俺様からは想像できない御姿だ。
あの、なんか、すごい久しぶりに、レモンが怒ってるとこ見た気がするんですが…。
てかちょっと待とう俺。
レモンてば、こんなに酷い有様だったか?
交わした言葉は少なかったが、今朝だって確かに顔を合わせていたのに。
どうだった。ここ数日の相方様は。
疲れてはいた。機嫌も悪かった。
でも、こんなに、やつれてた、か?
…。
ダメだ。思わず絶句するくらい。思い出せねえ。

「レモ、ン…?」

俺を見つめているようで、睨むのは右肩。
小っこい雅人形みたいな女の…挑むような瞳。

ゆっくり持ち上げられたレモンの左足。ぽかんと見上げていた俺は、レモンの真意に気付くことなく、その蹴りをまともに食らうことになった。
がっとくぐもった音が聞こえた途端、右肩に激痛が走り、尻もちをついた状態で後ろの壁に縫い付けられる。
眉根に皺を寄せたそのままの表情で、レモンの顔が限界まで近づいてくる。
………いってえ…!

「ぁっ…ぐ…。」
「うせろ。」

本気な相方様の蹴りを食らっては、まともな台詞を絞り出す余裕すらない。
何が何やらわからず、信じられない気分でそれを見上げる。
相変わらず俺を見ちゃいねえ。飴玉みたいなシトリンの瞳が、冷気を湛えている。

「わらわには効かぬわ。」

小馬鹿にしたような声音。
恐々右肩を確認すると、女の体を貫くレモンの足。
だが押さえつけられているのは俺の肩だけ。当の本人は涼しい顔をしている。
少し体が透けているようで、言葉通り効いていないようだ。

「人の精気吸い取りやがって…。」
「そうしてわらわは生きておるからな。」
「いいからさっさとどけ。本気で消すぞ。」
「やれるものなら。」
「ハッ。」

壁についた左足に乗せていた体重を右足に返し、傍まで寄せていたレモンの顔が離れていく。
眉根の皺が、一瞬だけキレイに消える。
持ち上げた時のように今度はゆっくりと左足を下ろし、右肩が解放される。
思い出したようにじんじん痛みを訴え出すそこを抑え、顔を顰めた。

「我が物顔で居座ってんじゃねえよ。」

見下したように顎を突き上げ、レモンの全身に力が込められたのを察し、咄嗟に顔を上げたところで。

「なッ…ぐっぁ!」

再び繰り出されたのは、レモンの利き足。
正確に狙われたそこは…俺の鳩尾。

「“それ”は、頭のてっぺんから足の先っぽまで。」

ちょ! いくら相方様相手だからって油断しすぎだろう俺!
…と、自分自身情けなく感じながらも碌に抗うこともできず。


「ぜーんぶ俺の所有物だっつの。」


俺はその場でキレイに気を失った。


頬と首に激痛が走る。
いや、激痛とか言いすぎかもしれねえけど、乱暴に顔を持ち上げられた感じの。
…いや、割りと本気で痛かった。激痛で合ってる。うん。
頬を挟むように片手で掴まれ、唇がそれに従って縦に開いて左右から押しつぶされる。
咄嗟に見開いた目の前には、すっきりした顔の相方様…が。

「レッ…ん。」

確かに自分では“レ”と発音したつもりが、口の形が強制的に変えられていたのでほとんど“ル”に近かった。
名前を呼び終わる前にぱっくり唇を覆われ、ぬるりと熱い舌が挿しこまれる。
同時に頬を掴んでいた片手が今度は後ろ頭に回され、軽く支えられた。
ぴちゃぴちゃ大袈裟に音を立てながら、競い合うように舌を絡ませ合い、息が上がってきたところで唐突に解放される。

「あれ…。」

キスしたことで満足したのか離れていくレモンの体を何となく眺め、それから状況確認しようと辺りを見渡す。
軽く赤く染まり始めたプロンテラの街並。残っている露店はぽつぽつとまばらになってて、腹が減ってくる時間帯だなとぼんやり思った。

「帰るぞラムネ。」
「え。あ。」

覚醒してしばらくしたらいろいろと脳内の整理がついてくるものだ。
レモンの声に素直に従って立ち上がった時に気がついた。肩が重く…ない。
左手で肩を押さえながら、ぐーぱーぐーぱーと指の運動。うん。なんか嘘みてえになんともねえ。
蹴られた腹部も特に違和感はなく…。
つか一体なんだったの? あれもしかして白昼夢?
ほったらかしだった露店を確認するも、何も売れてないだけで何事もなかった。
それでなんだかほっとして…いや何か売れててほしかったけど。でもなんか安堵して、大人しく片づけを始める。

「なぁ、レモン…。あの、教授……あぁいや、い…。」
「石持ってお帰りいただいた。」
「いんだ!?」

露店スキルのない相方様はそれ以上急かすことなく、俺の手元をぼんやりと見つめている。
ふいに傍にしゃがまれ、何事だとそちらへ顔をあげると、シートの上に値段と一緒に並べていたリンゴジュースに手を伸ばされた。
そのまま何気なしに見守っていると、ずるずる自分の元へ引き寄せ、封を器用に口で切る。
酒でもねえのにいい飲みっぷりっすねってーかそれ売り物…。
思わず突っ込んだが、いやいやいや今はそんなこと言ってるばやいじゃなくて!!

「あの教授モノホン!?」
「石っころに興味があるんだと。変な趣味だな。」

ぽいと投げて渡された空ビンを受け取り、首をひねりながらカートへしまっていく。
いや初対面のお客様に変な趣味とかあぁたお口が悪いわ…。
ええととりあえず、あの教授は、リアル実在した人物…と。
……あとは何だ。何から聞いていいやらわからん…。

「なんで蹴り飛ばされたんですか俺は…。」
「てめえが起きてちゃ都合悪ぃんだよ。ひきはがせねーだろ。」

あ、じゃあやっぱレモンがなんとかしてくれ…たのか?
キレイにノビててさっぱりしっかり覚えてないんすけど。
それってやっぱりお祓い? ユーレイ退治?
すげえ俺の相方様ってばマグヌスのマの字も唱えられねーのにそんなことできんの?

「や、なんかわかんねーけど。ありがとう?」
「ったく変なモンくっつけてくんじゃねえよ。おかげでだるいわヤる気起きねえわ散々だぜ。俺を殺す気か。」

すべてカートに納め、立ち上がったところでレモンもそれに倣う。
胸倉をつかまれ、引き寄せられたところで軽く口を塞がれ、何度かくっついたり離れたりを繰り返す。
そうしてから歩きだしたレモンの表情は、もう普段の不敵な笑みだった。

断片的に聞いた感じでは、レモンが忙しくなるちょい前から、俺の肩にはあの女が居座っていたそうだ。
ただレモンもそこまで敏感な方じゃねえから、原因とか正体とかが全くわからねえもんで、聖堂で仕事の合間をぬってこっそり調べてくれたらしい。
そこでレモンおまえってやつぁと感動してた、ら…。

「てめえのためじゃねえよ。ゲイの精気がマズいってんで俺の精気ズルズル持ってきやがるから、本気でぶち殺してやろうと思ったんだよ。」

とのことでした。うん。何となくわかってた。
つか何なの最近のユーレイはゲイとかそんなことまでわかるの!? しかもゲイってマズいの? そんなことで精気拾いしたのか俺…。
まぁレモンさん見るからに美味そうだしな。常に色気滾ってるし。ノーマルだもんね。あぁいや今はバイな!
あ、そうそう。あの教授も仕込みかと思ったらそうじゃないらしく。
レモン的には俺が気付かないまま寝てる間にでも追っ払おうと思ってたようだが、計算が狂ったってぼやいてた。

「まぁ石の処分先になったからいーか。」
「処分先ておまえ…。」

確かにあんな石何も知らねえ俺みたいなやつが拾ったらと思うと恐ろしいな。
まぁ趣味だってんなら任せておこう。自主的に持ち帰ったんなら何とかするだろ。
…でもなぁ?

「あの教授大丈夫かな。」
「あぁ?」
「や、受っぽかったから…。」

う? け?
そんな感じでレモンさんの頭上にはハテナマークがぽんぽん浮かんでる。
あぁうんそうだよな。おまえにはわかるまいて。いや普通のふぉもだってわかったりわからなかったりするだろうが。
俺ってば前話した通りゲイな上にネコなんだよね。
うん。ね。つまり男の人しかダメで、その上抱かれる方じゃないとダメなの。
そういう集まりってあるとね、俺みたいなタイプ結構いるわけよ。男役と女役が決まってるやつがね。
だからさ。見極めるのがそこで生き残るための絶対条件なわけですよー。
俺こんなナリ…わりとごつめの男だから、誘い誘われてネコ同士でしたーとかありえそうでちょう怖いから!
うん。だからわかっちゃったの。

あの教授、男を知ってる。

「ふえっ…くしょん!」

買い物袋を二つ提げ、夕日に向かってプロンテラの街を行く金髪の教授が。

「あぁでも、バイの精気はイケるんだっけか。」
「……へっ…くしょん!」

その時絶妙なタイミングでくしゃみをしたことなんて、俺が知る由もない。



―終―


あとがき。

ここまでのお付き合い、ありがとうございます。
一番書きたかった台詞がどれなのかバレバレであろう「レモネード」の続編です。
楽しんでいただけましたでしょうか。

えー実は、遅くなりまして申し訳ございません状態の相互記念SSだったりしますっ。
息子さん貸してくださいー! とスライディング土下座して金髪教授様を書かせていただきました。
というわけでスペシャルサンクスです兎環神都霞様!! こんな感じで大丈夫でしょうかー!!orz

俺様プリーストは割りと独占欲強いと思う。ヤキモチというより、おもちゃとられたおガキ様状態が近いと思いますけどね。
ほったらかしにしたり足蹴にしたり酷い相方ですが、ブラックスミスのことは大事にしてます。友情か愛情かは本人の中でも区別ついてない気もしますが。


 
高菱まひる
↑Page Top
inserted by FC2 system